思わず口ずさむ人も
お天気にも後押しされて、本日も朝からたくさんの方にご来園・ご来館いただいております。ありがとうございます!まさにお出かけ日和で、各地で紅葉を楽しまれている方も多いかと思います。素敵な写真や思い出が残せたでしょうか??
思い出といえば、写真だけではなく、音楽に様々な思い出を重ね合わせる方も多いのではないでしょうか。昔聞いた曲、身近な人が口ずさんでいた曲、イベントのときに流れていた曲…など、ある曲を聞くといろいろなことがよみがえってくること、ありますよね。そんな音楽に欠かせないのが楽譜です。
ということで、今回ご紹介するのは竹久夢二が装画を手がけた楽譜を取り上げたいと思います。
今回の展覧会では、この作品だけではなく何点もの楽譜を展示しております。どの楽譜のデザインも趣が違って、可愛いもの、斬新なもの…と夢二の振れ幅の広さを感じることができます。そのなかで今回はセノオ楽譜No.157「庭の千草」(京都国立近代美術館 川西英コレクション蔵)をご紹介しましょう。
「庭の千草」は、「The Last Rose of Summer」というアイルランド民謡を日本語の歌詞に置き換えたものです。日本語訳の歌詞に出てくる「白菊」が夢二の装画にもみられます。ほかの楽譜にくらべて優しい雰囲気で、そしてどこか物悲しさも感じられるのは、その歌詞を反映しているからといえるでしょう。
明治17年の「小学唱歌集(三)」にも掲載されたこともあって、多くの方が口ずさんだ経験があるかと思います。また自分自身が歌ったことはなくても、お母さんやおばあさんが歌っていたのを思い出す…という声も聞かれました。ひとつの作品を見て、曲を思い出したり、そこから人を思い出したり…なんだかとても素敵な連鎖だなぁと思います。
展示室にはまだまだ他の楽譜もありますので、またご紹介できたらと思います。どうぞお楽しみに!
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