歌も絵もお楽しみください
松花堂庭園に入ってすぐのところに、石碑があるのをご存知でしょうか?
こちらは「昭乗といへる隠者の住みし廬 近くにあるをうれしみて寝る」という、吉井勇が昭乗について詠んだ歌になります。この碑が物語っているように、吉井勇と松花堂昭乗は深い関係があります。
そんな吉井勇と竹久夢二も、深いつながりがありました。今回の展覧会では、そのふたりのつながりも大きな軸となっています。今回は、そのふたりのつながりがわかる作品をご紹介しましょう。
『祇園歌集』(個人蔵)です。
この本は、「かにかくに祇園はこひし寝るときも 枕の下を水の流るる」が有名な吉井勇の歌集です。現在も11月8日に「かにかくに祭」が行われるほどに祇園のまちに馴染んでいる歌ですが、この歌が収録されているこの吉井勇の歌集『祇園歌集』の装幀を手がけたのが竹久夢二なのです。
同じ時代を生きた吉井勇と竹久夢二は、このようにひとつの作品に名を連ねることが多々ありました。本展覧会でも、2人の名が並ぶ作品をいくつもご覧いただくことができます。
歌が好きな人も、絵が好きな人も楽しむことができる。それはなんとも贅沢なことですよね。ぜひこの展覧会で、「この本を読んでみたいな」「この絵をじっくり見てみたいな」と双方向から楽しんでいただけたらと思います。
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